最愛HONEY



「3秒…?」


何?どういうこと?

首を傾げる私をちらりと見て、なぜか大きくため息をつく龍ちゃん。


「今度2人で会うときは、マスクでもしとけ。」

「へっ?」

「場所も…もっとちゃんと、人目につくとこを選べよ。」


それって…


「わかったか?」


真剣な顔でじっと見つめられて、思わず頷いちゃったけど…


「…わかってないだろ?」


疑いの眼差しを向けてくる龍ちゃん。

…バレてるし。


「…もう、いい。俺がアイツに直接話すから。」

「えぇっ?」

「当たり前だろ?これ以上、お前を野放しにしておくわけにはいかないんだから。」


“野放し”って…

なんかひどくない?
私のこと、何だと思って…


「確かアイツ、明日シフトに入ってたよな?」


……ん?

私のことなどお構いなしに、勝手に話を進めて行く龍ちゃん。

ちょっと待って!


「いい!大丈夫。ちゃんと自分で話すからっ」

「はぁっ?話せないからこうなったんだろうが。」

「…っ」


そう言われたら、何も反論できないけど…

でも、ダメ。

これは、私の問題だ。


だって…



「自分で話したいの。

ヤマトは、大事な“友達”だから…」



このままなんてイヤだ。



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