最愛HONEY
「別れるつもりはない、とでも言いに来たんだろ?」
冷たい口調で続けるヤマト。
「それとも、黙っててくれ…かな?」
嘲るように、鼻で笑う。
「他の男じゃダメなんだもんな?キスしただけで、あんなに逆上するくらいだもんなぁ」
「あれは…」
「もう少しで階段から転げ落ちて大ケガするところだったよ」
……そうなんだ。
昨日、あれから冷静になって思い出した。
ヤマトにキスされて…
私の身体はすぐに拒否反応を起こした。
無意識のうちに、思いっきり突き飛ばしてて…
そのまま、走って逃げたんだ。
「…ごめんなさい。」
それは素直に悪かったと思ってる。
ヤマトの反射神経がよくて、本当によかったと思う。
でも…
「あのね、ヤマ「安心しろよ。誰にも言ったりしないから。」
「え?」
せっかく言いかけたのに…また遮られてしまった。
「ただし…
アイツが本社に戻る前に、別れろ。」