君に奏でる夜想曲【Ansyalシリーズ『星空と君の手』外伝】
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今日、花火だな。
うちの学校の……。
理佳ちゃんと見れば?
隆雪
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隆雪に言われるまで気が付かなかった。
二学期最初の始業式の夜。
お祭り好きのうちの学校には、
生徒総会主催の花火が夜空を彩る。
俺はナースステーションへと向かって、
親父に連絡取ってほしいと依頼する。
理佳と一緒に、花火を見たいと思った。
理佳の病気のことを、検索知って少しでも知識を得た俺は
悪戯に勝手に、理佳を連れ出すなんて出来ないと思ったから。
正規のルートで、堂々と連れていきたいと思った。
暫くして姿を見せた親父に、
俺は「理佳と花火がみたい」と告げる。
そう言った俺の頭を親父は、くしゃくしゃと撫でつけると
俺と一緒に、病室へと向かう。
今の理佳のコンディションを確認して、
静かに切り出した。
「理佳ちゃん、知ってるかい?
今日、学院の夏送り花火が上がるんだ。
屋上に出れば、花火も見れるだろう。
どうだい?
託実と一緒に見てこないか?」
そうやって親父が話を切り出した。