君に奏でる夜想曲【Ansyalシリーズ『星空と君の手』外伝】
「楽器したことねぇけど、
やってみるのもいいかもな」
「サンキュー託実。
んじゃ、俺の師匠や行きつけの楽器屋また紹介するよ。
理佳ちゃんも、またゆっくりと時間貰えると嬉しい」
そう言って、話が託実くんも一緒にバンドをやる方向でまとめられると、
二人は帰っていった。
二人が帰った今も、私の脳裏には
宮向井君からきかせて貰ったメロディーが脳裏を掠める。
その曲を思い出しながら、
私は五線譜に音符を書き続けた。
音楽が繋げてくれる未来。
そんな時間を今一度……。
夏の終わり、
ほんの少しだ私も歩き出せた気がした。
第一楽章 完結