君に奏でる夜想曲【Ansyalシリーズ『星空と君の手』外伝】
「今日は学院祭だから、前座としてSHADE以外のメンバーと演奏しようと思う。
最近、楽器を始めた存在。
俺の影響で、楽器と出逢ってくれた存在。
そんな生徒たちの中で、俺が気になったメンバーに手伝って貰いました。
紀天・伊吹・隆雪・託実出ておいで」
そんな形でステージに呼び出されると、
4人は凄く緊張してるが伝わってきた。
私まで手に汗かいてる……。
「今回彼らと演奏する曲は、隆雪が原曲。
そして、さっき素敵なピアノを聴かせてくれた満永理佳ちゃんが編曲して
この形に辿り着きました。
聴いてください」
怜さんの言葉の後、ステージの上ではドラムスティックを打ち鳴らすカウントが始まり
一斉に空間いっぱいにサウンドが広がっていく。
私が関わった曲が、こうやっていろんな人に聞いて貰えて
凄くかっこよく仕上がってるのが、嬉しくて……思わず体を抱きしめてた。
託実たちの演奏も無事に終わって、最後はSHADEの迫力あるLIVEパフォーマンスで
芸能祭は終幕になる。
残り2日間も、いろんなドキドキを迎えて何度か休憩を挟みながら過ごした最終日の夜。
ダンスパーティー。
凄く行きたかったけど、今まではしゃぎ過ぎたのがたたったのか
発熱してしまって、ドクターストップ。
やむやむ私は学院を後にして、病院に連れ戻される方になったけど
病室のクローゼットの前には、今日、ダンスパーティーで着る予定だった
可愛らしいイブニングドレスがハンガーにつるされてた。