For Blue
魚はゆったりと泳いでいたが、俺が見ているのに気がついたように
突然、勢いよく身を翻して海の中に溶けるように消えていった。
尾びれから巻き起こった水泡が、朝日に透けて白金のように輝いた。
俺はそのまま窓の外を見続けた。
黒猫が海面に近づいているのと、
時間が経過するにつれて
太陽の輝きが増しているのとで、景色はグラデーションのように
深い青から淡い青へと変化をしていく。
もうあの青色の魚が現れることは無かった。
その代わりに水面が近づいてくると
南国の花をちりばめたような、目の覚める色彩の小魚達が
乗客を誘うように窓に近づいたり踊るように尾びれを振った。
黒猫が水面に上がり始める。
窓から見える景色が水面を境界線にして、ゆっくりと空と海の二層へ変わる。
空は朝日に染められて橙色に輝く。
車内もだんだんと青色から橙色へと変わり、乗客たちも
それに比例するように起き出し、手荷物の整理をし始めた。
もうすぐ港につくのだろう。
突然、勢いよく身を翻して海の中に溶けるように消えていった。
尾びれから巻き起こった水泡が、朝日に透けて白金のように輝いた。
俺はそのまま窓の外を見続けた。
黒猫が海面に近づいているのと、
時間が経過するにつれて
太陽の輝きが増しているのとで、景色はグラデーションのように
深い青から淡い青へと変化をしていく。
もうあの青色の魚が現れることは無かった。
その代わりに水面が近づいてくると
南国の花をちりばめたような、目の覚める色彩の小魚達が
乗客を誘うように窓に近づいたり踊るように尾びれを振った。
黒猫が水面に上がり始める。
窓から見える景色が水面を境界線にして、ゆっくりと空と海の二層へ変わる。
空は朝日に染められて橙色に輝く。
車内もだんだんと青色から橙色へと変わり、乗客たちも
それに比例するように起き出し、手荷物の整理をし始めた。
もうすぐ港につくのだろう。