For Blue
朝日が差したら目を覚まして、好きな本を読んで、窓越しに世界を眺める。

お菓子をつまんで、たまに背中の白い羽根を広げて太陽に透かして眺めてみる。

気が付いたら太陽は夕日になっていて、沈んで夜が来たら月を見ながら眠りに付く。


その繰り返し。


眠ると夢はよく見る。

その日に読んだ本の内容とか、鳥かごの近くまで飛んできた小鳥とか。
でも、登場人物は私一人。

夢の中でも、現実でも、私は一人。

だからたまに思うの。
眠ったまま、目を覚まさなくてもいいかなって。

私が夢の中から出られなくても、多分世界は何も変わらない。

本を読んでワクワクしたことも、美味しいものを食べて感動したときも
可愛いドレスを着て回って見せても、何かを言ってくれる人はここにはいないの。

ずっとこのまま明日も明後日も一人きりの私は、生きてても死んでても同じこと。
だからなのかな。


私の心が足りないのは、一人だからなのかもしれないね。
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