For Blue
朝、日の光が眩しくて目を覚ました。

鳥籠のガラス張りの天井を鮮やかな小鳥達が飛んで過ぎていくのが見えるいつもの朝。


けれど、何かが違う。


外の景色はいつもと同じ。
鳥籠の中、散らばった読みかけの本も、鏡の前で身に着けては遊んでそのままにしてたアクセサリーも、昨日の夜と何も変わってない。


じゃあ、どうして心がこんなにざわつくの。


私はどうしたらいいか分からなくて、鳥籠の中を行ったり来たりうろうろと歩き回った。
落ち着かなくて、じっとなんてしていられなかった。
長い裾のワンピースは私が歩く向きを変える度にひるがえり、手にとってはそのままにしていた絵画や香水瓶を巻き込んでは倒した。
私自身もまだ一度も袖を通していないドレスを何枚も踏んづけた。


でも、そんなものに構っていられない。

どきどきと私の呼吸を狭めていくようなこの気持ちは何？
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