For Blue
「リオン!」
窓の外から名前を呼ばれてリオンは手紙を書く手を止めた。
顔を上げると、外には一人の若者の姿。リオンのよく見知った顔だった。
男は指で扉の方を指し示し、(入っていいか?)と仕草で尋ねる。
リオンも頷くことで返事をした。
「悪い、仕事中だったか?」
扉を開けながら若者はリオンに聞いた。
「カイ。今はちょうど休憩してたところさ」
カイと呼ばれた若者はホッとしたような表情になって中に入ってきた。
ここは工房。
小屋と言う表現が相応しい程の規模ではあるが、bleu de jardineでは中々に名前の知れた宝飾品を作る工房だ。
リオンはその工房で働く職人の一人だった。
カイはリオンの元に近付いて、作業台の上に置かれた手紙に気が付いた。
「確かに休憩中だったみたいだな」
カイの視線に気がついてリオンは慌てて手紙を裏返すとカイが笑った。
リオンの顔は耳まで赤い。
「いとしのマナちゃんにか?一途だねー」
「……自分だって、エリカにベタ惚れのクセに。何の用?」
まだ赤みの引かないままでリオンは口を尖らせる。
窓の外から名前を呼ばれてリオンは手紙を書く手を止めた。
顔を上げると、外には一人の若者の姿。リオンのよく見知った顔だった。
男は指で扉の方を指し示し、(入っていいか?)と仕草で尋ねる。
リオンも頷くことで返事をした。
「悪い、仕事中だったか?」
扉を開けながら若者はリオンに聞いた。
「カイ。今はちょうど休憩してたところさ」
カイと呼ばれた若者はホッとしたような表情になって中に入ってきた。
ここは工房。
小屋と言う表現が相応しい程の規模ではあるが、bleu de jardineでは中々に名前の知れた宝飾品を作る工房だ。
リオンはその工房で働く職人の一人だった。
カイはリオンの元に近付いて、作業台の上に置かれた手紙に気が付いた。
「確かに休憩中だったみたいだな」
カイの視線に気がついてリオンは慌てて手紙を裏返すとカイが笑った。
リオンの顔は耳まで赤い。
「いとしのマナちゃんにか?一途だねー」
「……自分だって、エリカにベタ惚れのクセに。何の用?」
まだ赤みの引かないままでリオンは口を尖らせる。