For Blue
リオンはその音が聞こえなくなってから、作業台に備え付けられた引き出しを開けた。


中には深い青色に輝くトパーズが美しい耳飾りが一揃え。


もう、完成していた。


「……満月祭の夜は、ダメなんだよ」


リオンはぽつりと呟いて引き出しを閉める。

――カイ、嘘ついてごめん。

心の中で友人に詫びた。


リオンは再び作業台の前に座ると、ペンを手に取った。


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