For Blue
朝からbleu de jardineを包んでいた音楽は、陽気なものからしっとりとした柔らかな曲へと変わっていた。
露店が連なる大通りへと歩いていくと、青白い光に照らされたそこは、昼間とはまるで別世界のようだった。
商品を照らし出す橙や桃色の明かりもあちらこちらに点り、並ぶ品物も、それを売る人も、買う客も、全てがいつもよりもぐっと魅力的なものに見える。
リオンもそれに目を奪われそうになりながら人波を抜ける。
ぶつからないように露店を見ながら向かってくる人達を避け、顔をあげた。
目の前には青白い光が当たって、ぼんやりと浮かび上がる白亜の時計塔。
その壁に嵌め込まれた大時計だけは賑わいの中、淡々と時を刻み続けている。
「あんまり時間ないかな……」
大時計を見上げながら考える。
この人混みを抜けて中央広場に行くまでの時間と、広場に行ってからエリカの立つステージを見る時間。
そして、そこから港へと下るのに掛かる時間。
立ち止まってステージを見る時間がなさそうだった。
――仕方ない。
リオンはため息をついた。
――上手くステージを見ながら通れるルートを行こう。
露店が連なる大通りへと歩いていくと、青白い光に照らされたそこは、昼間とはまるで別世界のようだった。
商品を照らし出す橙や桃色の明かりもあちらこちらに点り、並ぶ品物も、それを売る人も、買う客も、全てがいつもよりもぐっと魅力的なものに見える。
リオンもそれに目を奪われそうになりながら人波を抜ける。
ぶつからないように露店を見ながら向かってくる人達を避け、顔をあげた。
目の前には青白い光が当たって、ぼんやりと浮かび上がる白亜の時計塔。
その壁に嵌め込まれた大時計だけは賑わいの中、淡々と時を刻み続けている。
「あんまり時間ないかな……」
大時計を見上げながら考える。
この人混みを抜けて中央広場に行くまでの時間と、広場に行ってからエリカの立つステージを見る時間。
そして、そこから港へと下るのに掛かる時間。
立ち止まってステージを見る時間がなさそうだった。
――仕方ない。
リオンはため息をついた。
――上手くステージを見ながら通れるルートを行こう。