For Blue
広場へと向かう人波をくぐりながら、リオンはレディのいる門扉とは反対側の門扉側から
港へ近づこうと歩みを進める。


門が近づくにつれて鼓動が早くなるのを全身で感じていた。


レディに見つかったらどうしようという不安と、bleu de jardineを本当に出るのだという緊張。

ぐっと力を込めて拳を作り、それを振り払うように歩調を早めて門を抜ける。


レディの声は聞こえなかった。


リオンは少し安堵して、そのまま港に停泊している列車を目指す。


――これに乗れば後はもう、下へ行くだけだ。


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