僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
この人なら、あの時の彩菜のことを知ってる・・・


柊哉の胸がドクンと鼓動を打ち始めた。


この人なら、彩菜の過去も・・・


柊哉の胸はぎゅっと締めつけられる。


俺はじっとしていられず、
リビングを出て玄関へと向った。


「こんにちは!」


柊哉は男性に近付くと上ずった声で話しかけた。


「えっ!?」


男性は驚いたのか、ビクッと体を揺らし
靴を脱ぎかけた体制のまま柊哉を見上げた。


「すいません、驚かせてしまって」


「えっ!? あ、いや・・・」


男性は状況が読めないまま、気のない返事を返す。

無理もない、女の子一人しかいない親戚の家から、
男が出て来て挨拶したのだから。


しかし柊哉はかまわず男性に問いかけた。


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