僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
なんでこんな時に、彩菜のことを・・・
彩菜の笑顔を思い出すんや・・・?


『柊哉』


笑顔で差し出す彩菜のやさしい手・・・

俺はやっぱり彩菜のことが好きだ。


「くそっ!」


柊哉はこんな気持ちに耐えられずに、
走って商店街を抜け出した。


まるですべてが夢だったかのように、
楽しい思い出だったかのように
浮かんでは頭から離れない・・・


商店街を抜けたところで立ち止った。
そして振り返り、明るい街の灯りを見つめる。


彩菜・・・


「はぁぁぁー・・・・」


柊哉は大きく息を吐いた。


「もう、家に帰ったんやろうか・・・?」


柊哉はガクッと力が抜けたように肩を落とすと、
トボトボと彩菜の家に向かって歩き出した。


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