僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
「はぁーっ・・・
まったくおまえは・・・」


柊哉はため息を吐き、呆れた顔で彩菜を見た。


柊哉・・・


その見慣れた表情・・・

柊哉・・・


いつもの柊哉の表情に、これは現実だと理解する。


「ごめん・・・」


彩菜は涙を流しながら、嬉しそうに微笑んだ。


「さぁ、帰るぞ。」


「うん・・・」


柊哉はそう言って手を握ると彩菜は小さく頷いた。



彩菜が濡れないように傘を彩菜の方へ傾けながら、
しっかりと彩菜の手を握る柊哉。
彩菜は黙って柊哉に付いて歩く。


柊哉・・・

あったかい・・・


柊哉の手はあたたかくて心まで温もっていく。


柊哉、来てくれたんだね・・・?


ただ嬉しかった。
柊哉が私を探しに来てくれたことが。
こんな私を見捨てないでいてくれたことが。


< 206 / 364 >

この作品をシェア

pagetop