僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
「はぁーっ・・・ 
まったくおまえは・・・」


俺が呆れた顔でそう言うと、
彩菜はやっと微笑んで
『ごめん・・・』と言った。


昔からこんな感じだった、
彩菜がいなくなると俺が探して連れて帰る。
そして彩菜はこんな風に微笑むんだ。

いつもそうだった、
いつも俺はこうして彩菜を探してた。


柊哉は手を伸ばし彩菜の手をそっと掴んだ。


「さぁ、帰るぞ」


「うん・・・」


彩菜は嬉しそうに笑みをこぼすと、
小さく頷き柊哉の手を握り返した。


ドキッ!!

な、なんや!?


そんな彩菜の笑みを見ると胸がドキンと高鳴った。


今まで見たことがない表情・・・
俺はその笑顔がとても可愛く見えた。


いつもと同じような状況なのに、
なんでこんな気持ちに・・・?


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