僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
彩菜・・・


柊哉の顔がだんだんと赤く熱を帯びて行く。

俺は熱を帯びていく自分に気付き、
顔を隠すように目線を逸らした。


暗くて見えるはずもないのに、
でも今・・・彩菜の顔を見れない・・・


柊哉は顔をそむけたまま、
座り込んでいた彩菜の手を引っ張り起こすと、
濡れないように彩菜の方へと傘を傾けた。


「柊哉が濡れるよ?」


「ええよ」


「でも・・・」


「ええから」


「ありがとう・・・」


きっと彩菜は笑顔でそう言ってる。
でも俺は振り向かずに彩菜の手を引き歩きだした。


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