僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
「うん。あの時、柊哉は私の手を掴んで
『俺が守ってやる』そう言ってくれた。
その手は本当に大きく、やさしくて、
この人なら私を守ってくれるって思った。

その時に思ったんだ、 私は柊哉のことが好きなんだなぁって。」


「あの時は俺、まだ5歳やぞ?」


「うん。 でも好きだったの」


そう言って微笑んだ彩菜の顔は恋をする少女のようだ。


「じゃあ、昔から好きな男がおるって、
俺のことなん?」


「うん、そうやで。って、
そんなこと誰に聞いたん?」


「え?  いや、ちゃんとした知り合いから・・・」


柊哉は思わず、弥夜の親戚のお兄さんから
聞いたことを口にしてしまい焦った。


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