僕が恋した、13歳年上のお姉さん  
その頃、彩菜は・・・


「登さん、お待たせしました」


会社帰りに登と会っていた。



「お疲れ様。ごめんね、疲れてるのに」



「いえ、そんなことないです」



「でも、相変わらず他人行儀だなぁ〜
そろそろ恋人らしくしない?」



登はやさしい笑顔で彩菜の顔を覗き込む。


「は、はい・・・」


彩菜は少し顔を赤らめながら小さく頷いた。


「よし、じゃあ行こうか彩菜」


「はい」


「はい?」


「あっ、うん・・・」


「よし、行こう」


登は彩菜の手を引き歩き出した。



やさしい手だけど、
やっぱり違うなぁ・・・


登の手はやさしくてあたたかい手だけど、
彩菜の握りたい手ではなかった。


その感覚にまだ違和感を感じる。


でも、これも慣れていかないとなぁ。


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