花と雨の恋物語【短】
「あ・・・・・・・・あぁ。ごめんね、びっくりしたよね・・・・」
「え??ちょっと・・。俺の事知ってたの??」
「実は、知ってたの。というか、自然と耳に入って来るっていうか・・。うちの学部でも、陸上部の村上君がすごく人気あるっていうのは噂で聞いてたんだ。でも、その人がどんな人なのか、私は知らなくて。でもこの前、ぶつかっちゃって、顔見たでしょ??それで、今日も会って名前聞いてそれで・・・・・」
そうとう恥ずかしかったのか、花さんはすごい早口で説明していた。
「そっか、そっか。でも、花さんが俺の事知ってたなんて知らなかったから、なんか嬉しいよ。あのさ・・・、もしよかったら連絡先とか聞いてもいい??」
俺としたことが、なかなかやるな!!!
自然な流れ?で彼女の連絡先を聞くことができる!!
そう思った瞬間だった。
「あ・・・・ごめん、私、携帯持ってないんだぁ。親が厳しくて。ごめんね・・」
ウソでしょ・・・
この時代の大学生に携帯持ってない人とかいるの・・・。
俺はショックを隠し切れなかった。
「そっか・・・・。仕方ないね。なら、また学校のどこかで会えるといいね。その時は声掛けてもいいかな??」