花と雨の恋物語【短】
そして、花さんはゆっくり話し始めた。
「昨日ね。永山君がここに来たんだよ。」
「え??」
まるで俺の心の中をのぞかれたみたいだ。
「そ、そうなんだ・・・・・し、知らなかったな。・・二人で話したの?」
あまりにも、しどろもどろな態度を取る俺。
「うん。ホント面白い人だね、たくさん笑っちゃった。」
嬉しそうな顔をする、花さん。
その顔を見て、誰よりも悲しむ俺。
俺じゃ・・・花さんを笑わせてあげられないから。
「あいつ・・・彼女が欲しいっていつも言ってるよ。俺が言っておこうか?」
自分の気持ちを押し殺して・・・俺はそう言った。
「えっ・・・・・・」
なぜだか、悲しそうな顔をした。
「花さんは、永山が・・・「違うよ。私、好きな人なんていないよ・・・・。」
俺の言葉を聞く前に、花さんはそういった。
俺は何も言えずに黙り込んでしまった。