溶けたクラゲはどこへ向かうか
まゆみの死に顔は綺麗だった、そんなことを言ったら沢山の人に怒られるのだろう。
ピンクの花を添える手が凄く震えていて、情けなかった。その時、隣にいたまゆみが触れられない手を俺の手に重ねるようにかざし、にこりと笑った。
泣きそうになった
なぜ、まゆみが死ななければいけないのかと
「お前、なんで死んだの」
問いに、まゆみは困ったように笑う。笑ってばかりだ、こいつ
「…死んでも気を使う優しいお前には、田上将太の田上賞を与えよう」
彼女は一瞬目を大きくしたあと、泣きそうになってから"ありがとう"と口パクで呟いた。
「」