溶けたクラゲはどこへ向かうか

結局その日は夜遅くまで探しても、まゆみは見つからなかった。天候のせいもあるのだろう、女の茜を無理に帰して夜中も懐中電灯片手に探すも、見つからない

見つからないことが焦りと恐怖を倍増させていく


家に帰ると、母さん達は帰ってきていて台所にラップされた夕食が並んでいる。汐里も眠ってしまったようだ

『この天気じゃ、死んじまっただろうな』

昼間の男の言葉が脳裏で繰り返される。

「そんなこと、あるはずない」

きっと、こんなこと考えるべきではない

(今日はもう疲れた。)

部屋の電気をつけっぱなしにしたまま目を閉じる、精神的にも肉体的にも疲れた

明日は約束の日だから、もしかしたらまゆみが帰ってきていて、泳げるようになった彼女にかき氷を奢らなければいけないのかもしれない。

そう願って、俺は眠りへとついた。





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