溶けたクラゲはどこへ向かうか
不思議な再開
夢を見ているのかもしれない
いや"見ていた"のかもしれない、まゆみがいなくなる恐ろしく悲しい夢を
「まゆ、み…?」
目を覚ましたとき、思わず息を飲む
目の前に緒方まゆみがいたからだ、彼女は驚いたように目を見開いていた。
「…お前、どこいってたんだよ。探したんだぞ?」
「……」
「?なんとか言えよ」
ベッドから立ち上がってまゆみの腕を掴もうとした瞬間、すり抜けた。触れなかったのだ、そこにまゆみが存在していなかったように
「え、」
「…、…」
口をパクパクと動かして何かを訴えようとするまゆみ、なにも聞こえない
「まゆみ、お前…?」
「!」
そこでタイミング悪く携帯が鳴り出して、びっくりする。着信は佳からだった
「は?まゆみが、見つかった」
佳が何を言っているのかわからなかった。
だって、まゆみは今目の前にいるのに
佳は、"とにかく昨日の海にこい"それだけ言うと通話は乱暴に切られた。
(なんなんだよ、)
「じゃあ、目の前のこいつは」
まゆみ?に目を向けると彼女は悲しそうに笑った
とにかく、海にいこう