溶けたクラゲはどこへ向かうか

「やっと、落ち着いたんだ。それぐらい、まゆみの状態がやばい…らしい」

ふと振り返ると、朝のまゆみがいた。泣いてる茜の隣にしゃがんで心配そうに見つめている。

(じゃあ、そこにいるまゆみは幽霊なのか?)

現に、彼女には触れなかった
佳にも茜にも、誰一人と彼女が見えないらしい。俺だけが見えるのか?そうだとしたら

(なんて、残酷な話なんだろう)



そのあと俺達三人は警察に事情聴取を受けたあと、各自家に帰された。茜は佳が送っていったようだ
そして幽霊のまゆみは、ずっと俺の後ろについていた。

「…お前は、本当にまゆみなのか?」

家までの道、ふと尋ねるとまゆみは無言で頷いた。回りから見たら俺は独り言を呟いてるようなものなのだろう、
幽霊になるとしゃべれなくなるみたいで、まゆみは一言も話そうとしない。

(それか、俺に聞こえていないのか)

「明後日、お前の葬式やるんだって。変な話だよな、お前はここにいるのに」
「……」

頭を触ろうとしたらやっぱり、すり抜けた。まゆみは悲しそうにまた、笑った

「とりあえず、帰るか」
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