唇が、覚えてるから
思いがけない提案
振られた女5人は、仕切り直しにカフェでお茶しようということになった。
やっぱり女の子同士で話してるのが一番気楽で楽しい。
次第に罪悪感から解放され、私もすっかりくつろいでいると、一通のメールが届いた。
差出主を見てビックリする。
えっ、祐樹!?
ドキドキしながら本文を開いた。
アドレスは交換していたけど、これが初めてのメールだ。
『今から会いたい』
えっ……!
本文を見てさらに驚いた。
どこが強引で心をくすぐるようなメールに、何度も差出主と本文を確認してしまう。
そして
『私も会いたい』
迷わずそう返信して、私は立ち上がった。
「あのっ……」
事実上、合コンをぶち壊しにした人物だけに気が引けたけど、みんなに事情を話して、これから祐樹と会うことにした。
今度紹介するという約束付きで。
約束の場所は、いつもと同じ病院の中庭にした。