唇が、覚えてるから
初めての告白は、思ってもみないくらいストレートになってしまったけど。
恥ずかしいなんて気持ちは微塵もなくて、そのまま私は祐樹の瞳をまっすぐ見つめてた。
祐樹は、ハッとしたように動きを止める。
……驚いたよね。
こんな、突然の告白。
でも、何か言って欲しい……。
不安に駆られながら祐樹の言葉を待っていると。
その顔がフッと柔らかくなって、祐樹の顔がゆっくり近づいてきて。
……ああ。
キスされるんだなって本能で思った。
キスなんて初めてなのに。
不思議と心は落ち着いていて、近づいてくるその影に沿うように、私はそっと瞳を閉じた。
「……っ……」
祐樹の唇が触れたのは、すぐ後。
緊張で体が硬直した。
それに気付いたのか、祐樹は私の緊張を溶かしてくれるように優しく背中に手を添える。