唇が、覚えてるから
家族にだってそれぞれの生活があったのに、それを捨てて私の為に東京を離れることを決めてくれた。
あの頃は小さすぎて分からなかったけど、それはとても大変なことだったはず。
綺麗な水と空気。
ゆったりと流れる時間。
おかげで症状も落ち着いて、今ではすっかり元気になった。
全部家族のおかげ。
すごく感謝している。
その恩返しに私が出来ることは、病気と闘っている人を、私がしてもらったように勇気づけたり、手助けすることだと思ったんだ。
小学校の卒業文集には、将来の夢に『看護師』と書いた。
その夢は、着実に実現へと向かっている。