唇が、覚えてるから

不安で仕方ない今の私には、祐樹の言葉が胸に響いた。


そうだよね。

私は私の出来ることをすればいいんだ。


「うんっ!」


祐樹の目を見て返事をすると、柏原さんの元へ走り出した。



白衣に着替えてナースキャップを被って……

私は実習生の顔に戻った。
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