ルーツ
「すまん、横田君。現場に行く前に例の所に寄ってくれないか?」


ぼんやり窓の外を眺めながら平野が言う。


「わかりました」


そう答えると横田は車のハンドルを切り並木通りを右に曲がる。


まっすぐな都市計画道路ではなく、歴史のある街道筋に入った車は
雑居ビル、さまざまな商店が立ち並ぶ通りをなおも進む。

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