ルーツ
がたん…

その音は玄関の郵便受けから聞こえてきた。
その音にびくっとする裕未。


郵便受けに何か入ったようだ。


少しの物音にも敏感に反応するようになってしまった自分に
裕未は少し嫌気がさしてきた。



「なんだろう…とってくるよ」


そう言って立ち上がる徹を裕未は制し、
玄関に向かって走る。



あんな変質者に負けて、びくびくしているなんて馬鹿らしい。
ちょっとの物音にもびくびくするなんて。


意気込んで裕未は郵便受けを開ける。

どうせ広告でも入ったんでしょ!


裕未は郵便受けを覗き込むと中には一枚の紙が入っていた。


どうやら広告ではないらしいその紙を見て
裕未の心臓の鼓動がまた高鳴る。


その紙には、こう書いてあった。
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