ルーツ
「そのあわてぶり、かなり大事なもののようねえ?

そりゃそうよねえ、大切にあなたの一番好きな小説に挟んであったものね。



あはは!若ーい!あなた若いわねえ!
今はおじさんだけど、こんな時もあったのねえ!


それにしても隣に映っている人、きれいな人ね」



その写真にはまだ10代の徹が満面の笑みを浮かべて映っている。


そしてその隣には、静かな微笑みをたたえた、髪の長い少女が立っていた。

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