ルーツ
冷静な裕未の言葉に平野は苦笑する。




頭をかき申し訳なさそうに
裕未に問いかける。



「あのう…
あなたのわがままはもう聞きあきたんですけれど?




それに、あなたは何か勘違いしていますね。
あなたたちの幸せではなく


私は確かに
<あなた>の幸せを奪いましたよ。


それはまぎれもない事実です。




罪のない高校生の男の子を
あなたの人形のように扱い


自分の夢に閉じ込めてしまったあなたが



<わたしたち>という言葉を使うのは、
間違っていますねえ。




それよりもあなた、
私の質問に全く答えていませんよ。



あなたは人の心をもてあそぶ悪魔



ルーツなんですか?」

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