ルーツ
徹に別れを告げた裕未は
ソファーに座り深呼吸をした。



この重苦しい夜の空気を
体いっぱいに吸い込んだ裕未は
ゆっくりと話しだした。


耳を澄ますと
相変わらず周りからは



夜の団らんの音が聞こえてくる。




テレビの音。
ビールの栓を抜く音。
子供たちの笑い声。




そんな夜に
裕未は自分の心の闇をすべて吐き出そうとしていた。
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