ルーツ
「わからない…」



徹はなおも言葉を続ける。



声は枯れ苦悶の表情を浮かべながらも
徹は裕未に語りかける。




「わからない…すべて思い出せない…



でも…



人を愛した喜び、ぬくもりは
覚えている。



名前も顔も
何故ここにいるのかもわからないが…





愛は覚えている」

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