ルーツ
すると



携帯が突然鳴る。



机の上にある携帯はバイブも設定してあるようだ。
小刻みに震えながら、少しずつ移動している。


着信音に設定してある
緊迫感のない明るい歌が部屋の中に響き渡っていく。



ディスプレイに表示された「非通知」の文字を
2人はじっと見つめる。


2人とも黙ったまま。


すると、意を決したように徹が携帯を取る。



汗ばんだ手で携帯を開いた徹は言い放つ。




「誰だ?」
< 37 / 377 >

この作品をシェア

pagetop