ルーツ
「付き合ってたの?」


裕未は徹の顔を覗き込んで言う。


「違うよ。俺はあこがれていただけさ。
まあ、片思いと思ってもらって差し支えないよ


でも…」



「でも、なに?」



「もう…一生会うことなんてできないんだろうなあ
この人とは。


突然俺の前からいなくなってしまったから。



今はどこにいるのかも全く知らないよ」
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