ルーツ
あらゆる苦しみに打ちのめされた僕に
ルーツはさらに追い打ちをかけてきます。


意識を失いかけた僕の胸ぐらをつかみ
彼はささやくように僕に話しかけます。



「あんさん彼女に振られたのがめっちゃくやしかったんやろ?
この俺を振るなんてありえないっておもったんやろうなあ…



けっこう男前やしねえ、あんた。



けどなあ、それは全くの思い上がりでっせえ
ましてや、それを逆恨みして復讐しようなんて


挫折知らずのボンボンがやりそうなことやで。




そんな黒い心にあんさんは付け込まれたんや。



復讐心に凝り固まって周りが見えとらんかったようなあ



もう一つあんさんにおしえといたるわ



黒い心を持って人に害をなそうとするとなあ
もっと大きな黒い心に飲み込まれまっせえ、へへへへ



もうそんなこと言っても遅いけどなあ。





さっきのお茶には致死量ぎりぎりの青酸カリを入れといたんや。



そのまま死ぬのも良し。
わしが丁重にゴミ箱に入れて捨てといたるから安心しなはれ。



まあ、運良く生き残っても廃人同然。


そんときは、わしの人形にしたるから
ありがたく思いや…へっへへへへ」


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