ルーツ
もう10年も昔のことになるが…僕は花屋の店員さんに恋をしたんだ。
僕の高校の通学路にちっさな花屋さんがあってね。
彼女は、店先でいつも笑顔をふりまいていた。
もちろんそこを通るうちの学生はみんなやられたね。
夢中になっていた。
その店員さんが店先に出てくるのを待って
挨拶をしてからみんな登校したもんさ。
「おはよう!」
彼女のその一言だけで
僕は元気になれた。
みんなは彼女のリサーチに夢中だった。
どこに住んでいるか。
なにが好きなのか。
そして…彼氏はいるのか。
でもある日僕は彼女のある特徴に、ほかのやつらより先に
気がついたんだ…