sweet brother
俺が睨むと
賢哉は
「分かった分かった、本当ごめんって。陽南ちゃんもごめんね?…今日は帰るわ」
そう言って
みんな帰っていった。
ぐすっ…ぐすっ…
背中からは
陽南の鼻をすする音。
振り向くと陽南が泣いていた。
「陽南?」
「ご、ごめんなさぁい…っ…。謝るからぁ…っ…怒らないでぇ…」
「なんで陽南が謝るんだよ。俺は賢哉にきれただけで…」
「だって…さっきのお兄ちゃん、怖かったもん…っ…」
「陽南…」
泣きやまない陽南を
そっと抱きしめる。