YUKI˚*

卒業










「もう卒業だねー」


「…うん」


「なんか寂しいな」


「そうだね」



まなみんにそう返事をしながら


あたしは最近、口数がすごく減ってしまったと、自分でも思う



…卒業




あたしはこの間受験した大学の合格通知を受け取って一安心



まなみんは推薦で合格が決まっていた



あたしたちは、違う大学だ



県外の大学を受けたあたしは、もうしょっちゅうまなみんと会うことはできない



そして、川村くんも




まなみんと川村くんは、地元の同じ大学に推薦で受かった



二人とも頭良かったから




でも、川村くんはもっと遠いところを受けると思ってたから、意外だった





二人は同じ大学に通うのかー



あたしも




同じ大学じゃなくても



近くで一緒に通うはずだったのに





もう



どうにもできないけど






「来週は卒業式だよ」


「え…もう?」



卒業式って…



もうちょっと先だと思ってた




「はは、ゆきはたまに抜けてるんだから」


そう言って笑うまなみん



あたしは、まなみんなしで


この先やっていけるのかな




今思うと、いつも


苦しいとき、悲しいとき



まなみんが側にいて



叱ってくれたこともあった




「まなみん…大好き」



「な、何言ってんのよ?!いきなり」



「…ふふ」



少し照れてるまなみんが可愛くて



本当に



あたしはこの人に助けられてきた




離れてもきっと



友達という関係は変わらない



「あたしも、ゆきのこと大好きなんだから!」



「ありがとー、まなみん」



そう言って微笑むと




「お前ら、気色悪りーわ」



川村くんが割り込んできた




「気色悪い?!アンタって最低ね!」


「あのなー、男でそんなん言ってたらマジ引かれるからなー」




こんなまなみんと川村くんの会話も



もう、聞けなくなるのかー





さみしいね







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