YUKI˚*
わかる
きっと
ケンが来てる
体育館の裏ぐらいだろう
アイツは来てる
そんなこと
わかってた
でも、
白川には
言わない
もう俺は
お前に肩かししないよ
ケン
お前がその気なら
俺は今すぐにでも
白川を奪いたい
でも
ダメなんだ
俺じゃ、無理なんだ
ケン
ずっと
お前が羨ましかったよ
どれほど
その隣にいるのが
その笑顔を向けられている相手が
俺だったらって、思っただろう
でも、違う
俺じゃない
俺は
いつも
いつもいつも、小さい頃から
何ひとつ、ケンには勝てないんだな
けどさ
俺
ケン、お前のことも
大事だったんだよ
家族だったんだよ
知ってるか?
お前が家を出てから
俺の家は
まるで誰かが死んでしまったみたいに
だから、本当は
帰ってきてほしかったんだ
でも、それは
結局、最後の最後まで
言えなかった
白川はまだ
想ってる
俺じゃない
それでも
俺のこの気持ちも
消えない
卒業しないといけないのかもな
でも
俺にはまだ、早いよ
だって無理だ
高校3年間の片想いは
そんな簡単には
冷めないんだ
離れても
きっと、ずっと
キミを
想ってる