YUKI˚*
「…長かったね」
ユリちゃんの隣の席に座り直して
ユリちゃんはまだ
あたしの顔を見てくれなかった
そうだよね
見れないよね
「…そうかな?ちょっと色々……あって」
わざと言いづらいような言い方も
あたし
こんなに器用だったけ
「…悠斗と、話してきたの?」
やっとあたしの瞳を見たユリちゃんは
笑ってた
そんな顔をさせてごめんね
でも
ダメだよユリちゃん
笑っちゃだめだよ
「あたし、今度悠斗くんと二人で会うことになった」
ユリちゃんを
どん底に突き落とす
ユリちゃん
いいよ
あたしのことを嫌いになっても
だけど
自分の気持ちだけには素直になって
言いたいことを
思っていることを
ちゃんと伝えて
きっとそのときを
悠斗くんも
ユリちゃんも
ずっと、待ってる
あたしは
大切な友達を一人
失ってしまうかもしれない
それでも
二人が幸せになるなら
あたしは
悪者にもなるから