YUKI˚*







「そういえば、悠斗くんもここら辺に住んでるの?」




地元から離れたこの地域では


偶然同じ大学だったユリちゃん以外



会ったことはなかった




「いや、違うとこ住んでんだけどさ…ダチに用があって来てんだ」



「……で、合コン……」



「や、それは無理矢理に…っ!」



「あははっ」




わかってるよ



だって悠斗くんもまだ



忘れられてないもんね





「ユリは…前に進んでんだな、良かった」


「あ、あの合コンはあたし達も結構無理に連れて来られたっていうか」



「え……まじ」




その顔は切なくも


少し安心したようにも見える





「つーか、ここら辺って全く雪降らねーよな。俺の住んでるとこは結構降ってんのに」



「え…もう?」



「あぁ、地元もちらほら降ってんじゃね?」




そっか



もうそんな季節なんだ


地元もあんまり雪は降る方じゃなかったけど



1年に一回ぐらいは降ってた




ここは本当に全然降らない




それがあたしには



少し助かっていた




思い出さなくて、すむ







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