ＹＵＫＩ˚*

ユリちゃんはやっぱり



いい子だな



いい子すぎる




「悠斗と会ってきたんだ？楽しかった？」



なんで笑って、そんなこと



聞けるんだろう





「うん！すっごく楽しかったー！」



あたしユリちゃんに



酷いこと、したんじゃないの？




それともコレは



嫌味？





「そっか！応援するよ」



「………え？」



「ゆきちゃんが幸せになるなら、あたし応援するからね！」







………違う




嫌味なわけない



ううん



きっとすごく嫌なんだろう



それでも



ユリちゃんの言っていることに、嘘はない




この子は心から



あたしと悠斗くんが結ばれるのを






願ってる






………どうして？






「あたし、傘借りたから…また返しに行かなくちゃ」




「そっか！チャンスだね！」




「……うん、また会えるから嬉しい」




嘘



本当は会いたくないよ



もう、少しでも



思い出したくない






でも、



ユリちゃんの顔





見たらね



会わなきゃ、って





そうだ




これはユリちゃんのためなんだ




ユリちゃん達だって



半端な気持ちで別れたわけじゃない



ちゃんと二人で話し合って



覚悟を決めて




別れたんだ





それが



たったこれだけのことで



緩むわけない







それでもやっぱり



ユリちゃんには悠斗くん




彼しか、いないから





ならあたしは



頑張らなくちゃ






これぐらいで、めげてちゃダメだ





そう




あたしだって、半端な覚悟で今までやってきたわけじゃない




あたしは成長した



確実に




高校を卒業した


あの日から




全てのことから



思い出させからも





卒業したの





だから


悠斗くんと会っても




笑ってあの人のことも話せるくらい




強く





ならなくちゃ



「会ってくる」




「うん、頑張って！」





うん




頑張る