YUKI˚*







「ちょっと飲み過ぎたかもー!」



「もー、まなみん大丈夫?外の空気あたりに行く?」



「うん、そーする」




みんなで集まって結構時間も立っていた



あたし達は二人でその中から抜け出す





外は真っ暗で



星も見えない



曇ってるんだ





「寒いねー」


「あ、大丈夫?」



「うん、こっちのが酔い覚める」




なんだか



不思議な感覚だった




もう、あたし達は大人で



お酒だって普通に飲む





でも高校のときからは、考えられなかったから





まなみんがこんなに飲むなんて思わなかった




それとも




何かあった?







「……ゆき」




「ん?」



なんとなく




真剣な話かなって、思った





「あたしずっと、ゆきに言ってなかったことがある」




「………何?」




少し、身構える







「あたし、川村が好き」






赤い顔は、



飲み過ぎなのか



照れているのか






「え……それって、いつから?」




「高校のときから」



「うそ……」






全く



全然気づかなかった





でも、考えてみれば思い当たることがある




川村くんのことになると、少しおかしいときがあったまなみん




そっか



そうだったの






「なんで言ってくれなかったのー?」




ちょっとショックだった





「高校のときは、この気持ちがなんなのかよくわかってなくて」




懐かしむように



遠くを見て話すまなみん





「大学であんたらがいなくなって、気づいた」



「そっか…」




思わぬ告白に



驚いてないわけじゃないと思うけど




あたしはなぜか、落ち着いてる




あれ、でも確かまなみん



知ってたよね




川村くんがあたしのことー…





「まだ好きだよ」



「…あ、まなみんが?」



「川村、まだゆきのこと好きだよ」




あたしの心の中が



まなみんには丸見えなんじゃないかって思ってしまう





「え…なんで、そんなわけ…なんでわかるの」



「わかるよ」



中身は変わってないって思った



でも




「好きだから、わかる」



凛として言うまなみんは


もう、変わってる




変わってないのは




あたし、だけ






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