YUKI˚*
今終わったのかな
もう帰るのかな
そんなことを思いながら、みんなを影から見つめる
と、みんな男女で一組になって分かれていた
ユリちゃんも
隣に男の人が当たり前みたいに立っていて、笑ってる
送ってもらうのかな…
ただ、女子で帰すのは危ないからって理由だけならわかるけど
大丈夫なのか
今日知り合ったばかりの男の人と二人きりなんて…
そんなことを考えてる間にも、一組、また一組と男女が帰って行く
そして、ユリちゃんと男の人が残った
「俺らも帰ろーか」
「うん」
いい人…なのかな
声だけじゃわからない
「あたしこっちなんだけど…」
反対方向に行こうとしていた彼に、ユリちゃんが言った
「……俺ん家行こーよ」
あ
「え…それは…」
ダメだ
「いーじゃん、ほら」
「ちょっ…離して!」
……ダメだこの人
あたしはユリちゃんを助けようと前に
出ようとしたのに
「てめぇふざけんなっ!!!」
目の前に現れた
見覚えのある背中
その人の蹴りで、さっきの男の人は舌打ちをして逃げてしまった
ユリちゃんと、その人が向かいあう
「なんでこんなとこに…………悠斗が?」
ユリちゃんは
そう言った
そう、そこには
行かないと言っていたくせに、悠斗くんがいる
さっき後ろで物音がしたのは
まさか、悠斗くんだったの?
……なんだ
やっぱり来たんじゃん
あたしが電話したから
ということは
ここに来たということは
悠斗くんは、もう
「……ユリ、話がある」
「……うん」
あたしは、
静かにその場を後にした