YUKI˚*
「よっ」
「…おぉ!」
「なんだよその反応…」
え、反応は別に普通だったんじゃない?
それより
「こんなとこまで迎えに来たの?」
「ん、まぁそれもあるけど」
その言い方は、ユリちゃんを迎えに来ただけではないらしい
「俺も、白川に礼言わないとと思って」
笑った
悠斗くん
帰ろうと大学の門を抜けようとしたら、そこに悠斗くんがいて驚いたんだ
最初気づかなかったのはきっと
彼も
輝いて見えたから
なんだ
側にいて苦しむことなんて
もう、ないんじゃない?
そこにユリちゃんも来た
「あれ、悠斗どーしたの?」
「あ、ほらお前も頭さげろ」
そう言って悠斗くんが
ユリちゃんの頭を手で抑えながら、自分も一緒に頭を下げる
あたしに向かって
なんだかそれを見て笑ってしまう
まるで
いつかのあの日みたい
屋上で
「ありがとう」
そう言ってまた
あのときみたいに二人、笑うんだ
「別にあたしは…何もできなかったから」
「したよ、おせっかい」
「な…」
「もう、悠斗!…ゆきちゃんのおかげだよ…ほんと」
「ああ、おせっかいのおかげで……今こうして笑ってられる」
本当は
ずっと不安だった
本当にこれでいいのかって、何回も思った
けどよかった
あたし
「今俺ら、幸せだよ」
間違ってなかった
「ふふ、よかった!なら、邪魔しちゃ悪いからあたしもう行くね」
手を振ると、ユリちゃんも手を振ってくれた
悠斗くんは笑ってた
あたしが学校の門を抜けたとき
「次はお前らの番だぞ!」
後ろから悠斗くんの声がして
あたしは
聞こえないふりをした