YUKI˚*









『じゃあ、4人で会って来るんだ?』



「うん。そう」


『いいなー』



「え、ユリちゃんも来れば?」


『いいよ。久しぶりのメンバーで楽しんできて!』



「そっか、うん。ありがと」





電話を切って隣に顔を向けると



須嶋くんも



あたしを見てた




二人で歩きながら、向かう場所は


あの海



まなみんと川村くんも待ってる





そんなに遠くないからって歩きで



ただ長く一緒にいたかっただけかもしれない





あたしに歩幅を合わせて



目が合うと笑う





須嶋くんが


隣にいる





まだ、信じられなくて



昨日のことが嘘みたいで



でも




本当





手の温もりが



教えてくれた












「もー遅ーい!」


「ごめんごめんっ」



海に着くと



まなみんと川村くんはすでに準備をしていた



二人で仲良くやったのかな





「お前ら、いつもこういう時遅れてくるよなー」



「だって、まなみんと川村くんを二人きりにしてあげようと思って」



「なっ……」




二人とも顔が真っ赤になって



なんだか初々しいな




昨日、あたし達のことを二人に伝えたら



川村くんがまなみんに言った





『俺に、新しい恋を教えてほしい』




今よりもっと顔を赤くしながら



言った言葉はきっと、まなみんにとって大切なものになっただろう




二人が結ばれて



心から喜んでるのはあたしも




そして





「…よかったな」



須嶋くんも





「お前、ずっと俺ら心配してたんだぞ」



「はは、ごめん」



「笑ってんなよ!」



「ははっ」




川村くんと須嶋くんは本当に楽しそうに



やっぱりずっと離れても



二人の友情も変わらない





二人がじゃれているのをまなみんと眺めながら




懐かしくて



まるで




あのときのよう



きっとまなみんも同じこと思ってる




顔を見合わせて





笑った
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