YUKI˚*








「もー無理」




さっき



そう言った須嶋くんは



あたしから離れてテーブルの向かいに座り直した



あれ?


素直に離れてくれた



まぁ、よかった




なんて思ったのに





少し休憩しようとあたしが飲み物を持ってきたら




なんで



こんなことに?



えーと…



この状況を理解するのには、少し時間がかかる



コップを須嶋くんに渡すとき


あたしの渡し方が悪かったのかな




少し傾いちゃって



それで、えーと



反射的にコップをキャッチしようとしてしきれなかったあたしは




そのまま体勢を崩して



須嶋くんを押し倒すような形に…





なってるんだよね



「ごっ…ごめん!」



恥ずかしい!




そう思ってすぐさま起き上がろうとしたあたしの腕を



須嶋くんは掴んだ




その瞬間



強い力で引っ張られて




形勢逆転?



いつのまにか須嶋くんは




あたしの上に覆いかぶさっていたーー






須嶋くんがあたしを見つめる



その瞳は



まるで、獲物を捉えたような



ぼうっとあたしを見つめて





須嶋くんの顔がだんだん


近づいてくる




ちょっと、






待って




「まぁーしぃーまぁーくーん?!」



怒りが混じっている声は


きっと彼にも伝わった




やっと我に返ったのか


あ、ヤベェって顔をする須嶋くん



でももう遅い




「出てけぇーーー!!!」



あたしは須嶋くんを突き飛ばし


家から追い出した






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